










静かに静かに染み込んでくるような美しい水彩画で、多くの本の挿画を描いているイラストレーター、ビョン・ヨングンさん。
彼が制作してきた作品の中でも大きな判型(A4変形)で作られたサイレント・グラフィックノベルです。
「実際に見るために訪れた大きな滝は見つからず、偶然立ち寄った滝はとても小さかったけれど、そこに集まった人々の姿は、素朴でゆったりしていた」
最初の目的だった大きな滝に行けず、途中で見つけた小さな滝に立ち寄ることで、主人公の足取りも視覚も少しずつ変わっていく。壮観で大きな滝がただ眺めるしかない存在であるのに対して、小さな滝は眺めることも、渡ることも、足を水につけたり、泳ぐこともできる。
縛られていたものから解き放たれたようにシャツを脱ぎ捨て、水中に飛び込む主人公の心の伸展を、短編映画のようなコマ割り、構図の、美しい水彩画で見事に描き出しています。
◎ビョン・ヨングンさんのイラストとコラムが連載されている窓研究所のHP
https://madoken.jp/culture/byun-young-geun/
絵: ビョン・ヨングン 변영근
出版元:your-mind
H280mm×W210mm/64P/2018
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