まずは、鏡に映る男から変えないか。
なぜ女性やマイノリティを見下し、なぜ父親を憎みつつ強者に服従し、なぜ他者を攻撃したくなるのか?
男性中心社会を強固に形づくる「男らしさ」の呪縛について著者の個人史から考察する、愛と迷いのジェンダー・エッセイ。英国の人気コメディアン/文筆家、ロバート・ウェッブの半生記を邦訳。
「恐れはダークサイドに通じる」—かつてヨーダはそう言った。
男たちは何を恐れて「男らしさ」の暗黒面に逃げ込み、人を傷つけるのか。
ある時は剣に、ある時は盾にもしてきたその言葉から自由になる勇気を、今こそ。
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「男は内気ではいけない」
「男は女のことをわかってる」
「男は決まりに従うものだ」
「男が童貞なんて恥ずかしい」
「男ならスポーツ好きでなきゃ」
「男は痛みを隠さなければならない」
「男は父親のようにはならない」
「男は」「男が」「男なら」…
社会が強固に刷り込む「男らしさ」の常套句の数々。
男、女、あらゆる性にとっての抑圧につながる「男らしさ」の固定観念はなぜ植えつけられ、どのように人生に影響してしまうのか?そこから自由になるにはどうすればいい?
英国の人気コメディアンの半世紀を邦訳。
暴力的な父親のもとで育ったがゆえに「男らしさ」を嫌っていたはずの大人しい少年時代から、いつしか白人男性という強者として「男らしさ」に染まってゆく己のことも自覚し、葛藤の中で成長してきた著者。
自身の半生における加害性と被害性を見つめ、「変わりたい/変われない」ことに悩みながら対立を煽る「トリック」に抗い、
この社会の最小構成単位=個人として他者と生きるためにどうあるべきかを考える、たくさんの「途中の人」のための男性学。
第1章 「男は父親のようにはならない」
第2章 「男は内気ではいけない」
第3章 「男ならスポーツ好きでなきゃ」
第4章 「男は勇敢であれ」
第5章 「男は先生に気に入られたりしない」
第6章 「男は男と恋に落ちたりしない」
第7章 「男が童貞なんて恥ずかしい」
第8章 「男は泣いたりしないんだ」
第9章 「男は決まりに従うものだ」
第10章 「男は痛みを隠さなければならない」
第11章 「男にはセラピーなんていらない」
第12章 「男は女のことをわかってる」
第13章 「男は正しい進路をとるものだ」
第14章 「男は己を知っている」
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◎プロフィール
著者:ロバート・ウェッブ
イギリス・リンカンシャー生まれ。コメディアン、俳優、作家。ケンブリッジ大学で出会ったデヴィッド・ミッチェルとともにコンビ「ミッチェル&ウェッブ」で活動する。シットコム『ピープ・ショー ボクたち妄想族』で頭角を現し、以降テレビを中心に活躍。文筆家としては2017年に本書原著『How Not to be a Boy』、2020年には初の小説『Come Again』を刊行した。
翻訳:夏目大
大阪府生まれ。翻訳家。ゴドフリー゠スミス『タコの心身問題――頭足類から考える意識の起源』(みすず書房)、『エルヴィス・コステロ自伝』(亜紀書房)ディディエローラン『6時27分発の電車に乗って、僕は本を読む』、『Think CIVILITY――「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である』(東洋経済新報社)など訳書多数。
著者:ロバート・ウェッブ
翻訳:夏目大
出版元:双葉社
表記:日本語
H188mm×W128mm/480P/2021
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