「私の持ち帰り愛を忘れないで」は、コロナ禍の東京で暮らしていた写真家のギエム・アヨラが、2020年12月、当時付き合っていた恋人のコウのコーヒーカップに書いた言葉だという。日本語の「持ち帰り」という言葉は、「取る」と「返す」という2つの動詞で構成されていて、やがて東京を離れるギエムがコウへの愛を表現するためにあえて選んだ言葉であり、その愛はバルセロナに戻っても彼の中に残り続けているそうだ。そんな言葉をロマンチックな文脈で使用することで、この写真集は無条件の愛の宣言になっている。
ギエム・アヨラは、親密さを探求する写真家であり、彼は経験を収集するための視覚的な日記として写真を使用している。誰もが家に引きこもっていたコロナ禍の東京で、確かに存在した恋人との親密な時間を記録した静謐で美しい写真集。
著者:Guillem Ayora
表記:英語
H210mm×W150mm/88P/2022