






写真家・中里虎鉄さんが、愛について、セックスについて、何度も何度も問いかけ、彩度がなくなってしまった灰色の世界に苦悩しながら、イラストを担当したSakurako Kanamoriさんと1年かけて制作したzine『Melt in Tokyo』。
相手に触れられた体の部位が、マーブルに色づいている被写体のDaikiさんの裸の写真を見ていると、人に触れることについて、感傷的になるかもしれません。新型コロナウィルスの影響で、人と触れ合うことが制限されている今だからこそ、ページを開きたくなるzineです。
◎『Melt in Tokyo』本文より
私の中にある感情を言葉で表そうとすると全てが軽いものになってしまう。
「寂しい」や「悲しい」なんかの言葉よりももっと繊細で、細胞の隅々まで広がる深く濃淡な感情が僕の中には住んでいる。もはやこれが感情なのかさえ分からない。
何を求めてここへ来たのだろう。何も得れないことを知りながら、なぜ得体の知れない「何か」を求めてしまうのだろうか。どこかで答え合わせをしようとしている自分がいる。虚しさや悲しさを感じることで自分が傷ついていることを感じたいのだ。目に見えない傷は自分でどうにか表現するしかないのだろうか。
分からないことだらけで嫌になるよ。せめて1時間、いや30分でいいから、私の肌に触れて欲しい。そこから虚偽の愛を感じるから。そうすれば私が以前に受けてきた愛が真実で、これが本物の愛ではないと認識できる気がするんだ。私たちは愛なんて知らずに生きてこれたのに、今ではことあるごとに愛を求める。そんな今でさえ愛が何であるかなんて分かっていない。だから私たちは孤独や欲望に溶けてしまう。どろどろになった私たちは以前の型を忘れ、この街へと流れていく。そして何度も私という型に戻っていく。何度も何度も。こうやって私たちは愛というものを形成していくんだ。
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◎中里虎鉄さんの2020.4.25インタビュー
Neol_magazine
https://www.neol.jp/culture/97175/
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Staring:Daiki Yamaguchi
写真・文:Kotetsu Nakazato
イラスト:Sakurako Kanamori
表記:日本語
H195mm×W140mm/24P/2019
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