1950年開業の全美戯院は台南の歴史あるリバイバル上映の映画館で、『ブロークバック・マウンテン』や『ウェディング・バンケット』で知られるアン・リー(李安)監督も10歳から高校まで暮らした台南で、この劇場に幾度となく通い、ここで映画の夢を育んだそうです。
この映画館の最大の特徴は、現在もなお手描きの映画看板を使用していることです。最新の3Dアニメ映画も台湾スタイルの手描きで表現され、独特の雰囲気を醸し出しています。描いているのは、台湾最後の映画看板師で、台南の手描き映画看板マスターとして知られる顏振發さん。週末には手書きの映画看板技術を受け継ぎたいと師事を受ける若い人たちが顏さんの元に集まり、看板を描くワークショップも開かれているそうです。
劇場はA廰とB廰の2スクリーン。映画一本分の料金で映画二本が観れる二本立て上映。レトロな館内にあるお菓子屋さんで、食べたいものを買って見ながら食べるというのも昔ながらのスタイル。懐かしさと楽しさが残っていて、そのうえ長居できる、地元の映画ファンの憩いの場になっているそうです。
この本は、過去と現在を行き来しながら構成されました。全美戯院に蓄積された膨大な映画看板や宣材を記録し、関わってきた人々の多くのインタビューも収録。中でも長年働いてきた従業員が語る劇場の70年史は感動的です。私たちがこの本から学ぶのは、台南市の劇場の歴史だけでなく台湾の劇場の歴史でもあります。
◎手描き看板で有名な「全美戲院」で映画鑑賞!
〜台北ナビより
https://www.taipeinavi.com/special/5057830
◎手書きの看板が目を引く、台南のレトロ映画館「全美戯院」
〜ナンスカより
https://www.nansuka.jp/seikyo/p006025/
著者: 王振愷
出版元:遠足文化
表記:中国語(繁体字)
H230mm×W170mm/208P/2021
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