







家族と社会と絶え間なく葛藤し、器用に折り合いをつけられない女性たちの物語…“一人の女性の物語”でありながら同時に“一人の人間の物語“であることを願う…
〜作家の言葉より
仕事、結婚、親戚付き合い、子育て、介護…女性か男性かというだけで、背負う荷物や見える風景が違ってしまうことの理不尽さ。地方とソウル、地方と東京、そこに共通して横たわる憧れや自由や寂しさも、身に覚えがあった。
そして読み終えた後には、夜、電車に揺られ眺める車窓から見える、ひとつひとつの家、部屋の窓灯りが思い浮かんだ。無数の窓灯りひとつひとつに存在する、名も知らないひとりひとりの孤独が愛おしくなった。
不安なこと、悔しいこと、嬉しいこと、 不公平なこと、嫌なこと、悲しいこと、幸せなこと… 思い描いたようにいかない自分自身に、ままならない他者や社会との関係に、あの人は、自分は、みんなは、どう折り合いをつけながら生きていくのだろう。
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韓国第3の都市、家父長制が根強く残る大邱(テグ)からの脱出を試みるコンジュはエディター志望。ソウル育ちのイラストレーター、ホンヨンは結婚どころか「男なんてもうまっぴら」のはずだった。
夫婦の対立、お互いの実家での確執を描く「あるある」マンガかと思いきや、「自由」を求める女たちのバディ物語だったという…。
作者のソン アラムは、本作を自身の話であり、「簡単に折り合いをつけられない」すべての女性の話だと語る。スィートなだけではない"ハードボイルド"コミック。
〜出版社レビューより
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◎プロフィール
著者:ソン アラム
1981年ソウル生まれ。漫画家。高卒認定試験を経て法学部に進むも学外でのマンガ講座に熱中し、卒業後は漫画家への道を歩き始めた。2007年から自伝的な漫画を描く。2013年に「大邱の夜、ソウルの夜」の第1部となる「大邱の夜」を発表。代表作に「자꾸 생각나(何度も思い出す)」(ミメシス、2015)などがある。本書は作家にとって初めての日本語版。
訳者:吉良 佳奈江
1971年静岡県生まれ。東京外国語大学日本語学科、朝鮮語学科卒。おもな翻訳に『韓国が嫌いで』(ころから)、『二度の自画像』(東京外国語大学出版会)、『退社』(たべるのがおそい第7号所収)などがある。
著者:ソン アラム
日本語訳:吉良 佳奈江
解説:町山 広美
出版元:ころから
表記:日本語
H235mm×W170mm/176P/並製/2022
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