2015年に台湾東部(台北・花蓮・瑞穂温泉・台東・緑島)一緒に旅した二人、十日間の台湾旅行記。
旅をしたのは、台湾生まれ香港籍の母親をもつハーフという出自から中国語や中華圏の文化に対する独特の視点で旅をつづる檀上遼さんと、フィクショナルな記述で旅という時間を描きなおそうと試みる篠原幸宏さんの二人。
同じ場所を一緒に旅しても、それぞれの視点も、立ち上がってくる感情も違っていて、綴られた文体も含めて、まるで違う時間を旅しているよう。
一緒に同じ風景を見ても同じ体験をしても、それぞれ世界は違って見えていて、違うことを感じているんだ…そんな当たり前のことを再確認しつつ、その当たり前のことが世界を面白くしていることに気づかされます。それにしても檀上さんは、なんでこんなにユニークな人たちに次々と出会えるんだろう。
2017年に刊行された台湾旅行記『声はどこから Where is the Voice Coming From?』を大幅に加筆増補、判型も文庫本サイズになって味わい深く熟成された写真も素敵な一冊をぜひ!
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「そこにいる誰もが同じ空間で同じものを見ているはずなのに、もしかしたら視線の先に皆違うものを見ているのではないかという思いがふと浮かぶ。緑島というひとつの島を通して、その瞬間三つの歴史が交錯しているかのような感覚に包まれた。」( 檀上 遼 / 東へ)
「どこからか歌声のようなものが聞こえてきた。気づくと、私は老人ばかりの奇妙な通りをあるいていた。考えごとをしていて、いつのまにかそんなところにきていたのだった。」(篠原 幸宏 / 台北の五日間)
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著:檀上 遼、篠原幸宏
写真:檀上 遼、篠原幸宏
装丁:篠原 幸宏
表記:日本語
H148mm×W105mm/182P/2021
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