「社会にはアイデンティティに関わるさまざまなラベルが存在する。 ラベルは、 表面的に人々が自分の立場を見つけるのに役立つように思えるが、 実際には誰もが積極的に自分自身を探求する可能性を排除してしまう」 近年、台湾で最も注目を集めている写真家・登曼波 Manbo Keyの写真集『父のビデオテープ｜父親的錄影帶｜Father’s Videotapes』。 Manbo氏は、 父親のセックステープ事件をきっかけにして、 家族、 環境、 さまざまな事柄について思考の触手を伸ばし、 自身のアイデンティティに向き合った作品を制作してきた。 台東の東石というある保守的な田舎町で育った彼にとって、 父親は荒野に生まれた不思議な花のような存在だった。 ある時、 彼は父親の部屋で、 父が他の男性とセックスしているのを録画した大量のビデオテープを見つけてしまう……。 両親がなぜ結婚しなかったのか、 家を出た母の喪失感、 不思議な父の存在について、Manbo氏自身も同性愛者であったので、 彼にはその感情がよく理解できた。 そして、 彼にとって、 父が残した数々のセルフセックスコレクションは、 その後写真家として生きる時に、 大きな刺激となった。 『父のビデオテープ』は、 長年にわたって、 家族、 セックス、 アイデンティティについて、 写真家・登曼波 Manbo Keyが考えてきたことをまとめた、 クィア三部作。 「自分のことを定義できるのは自分だけだということを読者に伝えようとする」胸を打つ写真集だ。 ＊＊＊＊＊ 「父親的錄影帶」登曼波／東京で初の展覧会開催！ 6月8日 (土) から7月7日（日）まで、日本橋馬喰町のparcelで、登曼波(マンボウ・キー)による、待望の日本初個展が開催されます！ 《父親的錄影帶｜Father’s Videotapes》は、1994 年のある運命的な日、マンボウが父親の禁断のコレクションである自撮りのセックス・テープを発見したことから始まります。不安と戸惑い、そして好奇心に占領された10 代を経験し、自身のアイデンティティの探求をすることで結実した作品は2019 年に《Father’s Video Tape》が臺北美術獎（台北美術賞）でグランプリを、そのシリーズの延長である《Father’s Video Tape_Avoid A Void》は2021 年に台新藝術獎（台新芸術賞）を受賞。 2019 年にアジアで初めて同性婚が合法化された台湾が産んだアーティストであるマンボウの作品は、台湾が文化的に持つ鮮やかでポジティブな色彩に溢れ夢のような雰囲気を持っています。マンボウの最も深い秘密をさらけ出し、その物語を共有することで、より多様で解放された未来の土台をつくり鑑賞する人へエールを送ることを願ってやみません。 https://parceltokyo.jp/exhibition/fathers-videotapes/ ◎さらに、6月7日から8月29日まで、南青山AMATEUR (H BEAUTY & YOUTH)でもマンボウ・キーの個展「Father’s VHS 2024」登曼波｜Manbo Keyが同時開催されます。 ＊＊＊＊＊ ◎プロフィール 登曼波 Manbo Key 台中市東勢の客家の大家族に生まれる。 閉鎖的な町で育ったが、父親が独立していたため、比較的自由な環境で育ち、世代を超えた教育により、幼い頃から独立心旺盛で自己を確立することができた。 このような背景は、現在の外界の変化と呼応しながら、自然と彼の創作活動の焦点となっている。 常に自分自身と環境を内側から探求し、現代世界との対話を生み出す作品を作りたいという欲求に駆られている。 肉体の自己同一性を模索する一方で、魂と肉体がより自由に共存できることを願っている。 クール・キッドとして枠組みを壊し、二元論を排除し、アジア全域でセクシュアリティ／ジェンダー問題の対話を推進し続けている。 現在、ビデオとインスタレーションの両分野にまたがり、写真を用いて記憶に再検証と再視聴の機会を与える作品を発表している。2019年、「父のビデオテープ」で台北藝術大賞最優秀賞を受賞、2021年、クールキッズを象徴する「父のビデオテープ ___ 美恵は語らない」が新台湾藝術大賞の最終候補に選出された。2022年、「Repeat: Recognising ___ 父のビデオテープ」で故郷と家族を再検証し、台湾とリトアニアの対話「Repeating the Real」に参加。 2022年には、台湾とリトアニアが対話するグループ展「Overwriting the Truth: Archives and Identity in Contemporary Photography in Taiwan」に参加する。 著者：登曼波 Manbo Key 出版元：大塊文化 表記：中国語（繁体字） H230mm×W160mm／496P／2022 ＊Overseas shipping OK ＊Free shipping on orders over ¥ 10,800 in Japan only. Overseas shipping charges apply.