original
「同性愛という問題の数々の展開が向かうのは、友情という問題」
ーーミシェル・フーコー『同性愛と生存の美学』
ジャーナリストの北丸雄二さんが日本とアメリカで経験し、見聞してきた「ゲイ」の歴史、社会、政治、文化、哲学を、豊かな考察で書き綴った今、必読の一冊!
付録として、2019年の"NYCプライド・マーチ"のリポート(写真も豊富です)、発表のあてがないまましたためられた映画評『君の名前で僕を呼んで』考まで収録されており、引き出しが豊富で、折に触れて何度も開いて読み返したくなる、さまざまな道標を指し示してくれる本です。
「同性愛とは、結局、友情の話だ」というフーコーの言葉を起点に、本書の後半で繰り広げられる、映画、演劇、スポーツ、文学、ジャーナリズムなどからの縦横無尽の語り。「ゲイ」とは何か、人間とは何か、どう生きていくかという問いかけが、グッと胸に響きます。
◎出版社レビューより
世界を知り、無知を知り、人間を知る。
偏見を助長してきた言葉や文脈を更新し、日本で流通してきた「LGBTQ+」情報の空洞を埋める希望の書。
彼らは世界で何が起きているのかをほとんど知らない。日本で流通している日本語だけの情報で満ち足りて、そこから出ることも、その外に世界が存在することも考えていない。日本の世間は日本語によって護られているつもりで、その実、その日本語によって世界から見事に疎外されているのだ……。
──第4章「クローゼットな言語」より
〈推薦文〉
頭が沸騰した。アメリカの「LGBTQ+」百年の歴史の豊饒を受け止めた著者の目に、すべての私たちの未来が映っている。
──池田香代子(翻訳家)
どのような過去が、現在を作り上げてきたのかーー。蓄積と切り離された、安易な現状肯定は、手痛い揺り戻しを招きかねない。日本とアメリカを行き来し、各コミュニティの内と外を見てきたジャーナリスト。彼だから描ける、歴史と、その先。
──荻上チキ(評論家)
この本にあふれる愛は、日米を問わぬ遍きマイノリティへの讃歌でもある。小さき者たちがこの半世紀、歯を食いしばってクリエイトしてきた歴史や文化を再発見した。
──津山恵子(ニューヨーク在住ジャーナリスト)
以前、島根県隠岐之島に歌いに行った時に頂いた小学生からの手紙に、「うまれてはじめてオカマさんをみました」と書かれていた。その時感じた素直さと違和感。その間を埋めるものがこの本にはある。
──中村 中(歌手・役者)
本書は厳密な意味で、「ゲイ」の歴史学であり、社会言語学であり、政治学であり、社会学であり、哲学だ。一つの視座から捉え切れない全体性を描き出している。最後に著者は当事者として一つの公式に到る。恋愛=ヘッセ的友愛+贈与としての性行為。友愛の力を欠けば、恋愛を持続することも差別せずにいることも不可能だ──僕は全面的に賛同したい。
──宮台真司(社会学者)
著者:北丸雄二
装丁:川名潤
出版元:人々舎
表記:日本語
H188mm×W128mm/448P/2021
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