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沖縄島料理 食と暮らしの記録と記憶

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料理と聞き書きの生活史から沖縄を知る、新たな視点の一冊。 異国との交流、気候風土、古くから息づく風習や思想、社会情勢 ─── めまぐるしく変化する時代のなかで、独自の食文化を形づくってきた「沖縄の料理」。食をまかなう人々は何を思い、何を信じ、「食」と向き合ってきたのだろうか。 沖縄の本土復帰から50年を迎える2022年。暮らしと密接に関わる「食」を通して沖縄の戦前・戦後の歴史をたどるとともに、人々の歩みを記録する。 ****** 沖縄には、辻という遊郭がありました。 そこは現代人がイメージする風俗とはかなり違います。そこは、社会のヒエラルキーに治らない人々、イデオロギーに参加しない人々、また、追い出された・逃げ出した人たちに、女性や子供が、安心して暮らせる居場所だったのです。 最近読んだ松村圭一郎氏の『くらしのアナキズム』(ミシマ社)によると、「昔の市場のような役割を持った「無縁所」は公界であり、債権責務の関係という世俗の縁から切り離され、逃れられる聖域だった」とあります。 1944年10月10日米軍の那覇無差別攻撃で焼かれ、「辻」もまた一夜にしてなくなってしまったのです。 戦前の辻に育った知人によると、家の脇には、沖縄らしく豚が飼われていたそうです。伝統の琉球舞踊を仕込まれ、宮廷料理人を通じて学んだ華やかな料理と、場に応じた昔ながらの家庭料理で温かく客をもてなしていたそうです。 辻には「おはよう」とか「こんにちは」といった挨拶言葉はなくて、だれに出会っても「ご飯食べたか」というのが常の挨拶になっていたそうです。「好き嫌いを言わず食べなさい」と苦いゴーヤーを食べさせられたと笑っていました。 そういった温かい人々の住む沖縄は、料理すること、食べることが暮らしの真ん中にあるんですね。沖縄の自然の食材を丁寧に扱う市場の人の手に、その優しさは今も見られます。沖縄の自然と人と人の間には、いつもお料理があるんですね。沖縄に行きたくなるのは、そうした人の温かさにほかならないと思います。 ─── 土井善晴(料理研究家) ****** 監修・写真:岡本 尚文 文:たまきまさみ 料理考証:仲村清司(作家、沖縄大学客員教授) 出版元:トゥーヴァージンズ 表記:日本語 H210mm×W148mm/192P/2021 *Overseas shipping OK *Free shipping on orders over ¥ 10,800 in Japan only. Overseas shipping charges apply.