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日本人が移民だったころ / 寺尾紗穂

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日本はかつて国策として移民を推奨する「移民送り出し国」だった。 そして戦後、日本に戻ってきた移民たちのなかには、故郷に居場所がなく、荒地の開拓を強いられたり、再び南米などに再移住を余儀なくされる者も多かった。 札幌、沖縄、パラグアイ。移民たちが戦後にたどり着いた場所を著者が自らの足で訪ね、それぞれの家族の激動の旅路を追う。 【本文より】 “現在ニュースで語られる「移民」は、一番にアジアやアフリカ、中東などから日本へやってくる人々がイメージされ、日本社会への移民受け入れの是非をめぐる意見や、いかに共生が可能か、といった議論が交わされている。時に無知や差別意識に満ちた意見もみられるが、こうした日本人の「移民」イメージをのぞいてみると、移民はどこまでも「他者」であり、まるで日本人は移民になることなどないような錯覚にとらわれる。しかし、明治から戦後のある時期まで、日本は確かに国策として移民を推奨する「移民送り出し国」であった。” ◎目次 まえがき 父のいない戦後  札幌・平尾富士子さん 台風と格闘した開拓  種子島・中川博司さん 遊水地に拓いた未来  我孫子・玉根康徳さん PTSDを呼び起こされる戦後  那覇・上原和彦さん 死亡も補償も認められない 一六歳の兄の戦死  那覇・阿良光雄さん 靖国に祀られた母  札幌・野村武さん パラグアイからアルゼンチンへ  埼玉・鈴木光さん 除草剤入らなかったらつぶれてた  パラグアイ・フラム 溝際孝市さん 二つの大和村を生きた夫  パラグアイ・エンカルナシオン 中村博子さん 移民の子が大使になった  パラグアイ・フラム イサオ・タオカさん あとがき ◎プロフィール 寺尾紗穂(てらお・さほ) 1981年東京都生まれ。東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了。2006年にシンガーソングライターとしてミニアルバム『愛し、日々』をリリース。07年にアルバム「御身」でメジャーデビュー。音楽活動のかたわらノンフィクションやエッセイを執筆し、文筆家としても活躍中。著書に『原発労働者』(講談社現代新書)、『南洋と私』(リトル・モア)、『あのころのパラオをさがして 日本統治下の南洋を生きた人々」(集英社)、『彗星の孤独』『天使日記』(ともにスタンド・ブックス)など。 著者:寺尾紗穂 出版元:河出書房新社 表記:日本語 H188mm×W128mm/200P/2023 *Overseas shipping OK *Free shipping on orders over ¥ 10,800 in Japan only. Overseas shipping charges apply.

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