性的少数者… 障がい者… 日本に暮らす外国籍の人…など、 社会的マイノリティについて書かれた本をメインに取り扱い、 本屋がメガホンとなって、 いないことにされてきた彼らの「小さな声を大きく届ける」ことを目指す、2023年6月に岐阜市の柳ヶ瀬商店街にオープンした本屋メガホン。そんな本屋メガホンの店主・和田拓海さんによるZINEの第2弾は『生活と怒号』。憤ることがあまりにも多すぎるこの日本社会で、今、マイノリティのための書店を開いた和田さんはどんなことを考え、悩み、一歩を踏み出したのか。ぜひご一読ください。
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"差別や不条理に対して怒る自分と、それでも普段通り生活を続ける自分はどちらも自分だ。怒り担当、生活担当の二つの人格があれば便利だが、どちらも同一の自分が同時に引き受けなくてはならない。怒るにはそれなりにエネルギーが必要だし、怒りに振り回されて生活が疎かになっては元も子もない。怒る自分と生活する自分が乖離せず、ちょうどいい距離感を保つにはどうすればいいのか。本書では特に怒りや違和感について書く行為や、書いたものを綴じ、自分で売る行為を続けてみて感じたことを中心に考えてみたい。" ー「生活と怒号」より
社会的マイノリティについて書かれた本をメインに扱い、「小さな声を大きく届ける」ことをコンセプトに掲げる新刊書店「本屋メガホン」を運営する著者によるZINEの第2号。
自身もマイノリティとして生きる中でこれまで感じてきた違和感や、本屋を開業するきっかけなどについて書いた前作のZINE「透明人間さよなら」の制作・販売を通して考えたことを中心に書かれた今作は、「生活する自分と怒る自分のバランスのとり方」についてや、「無理せず我慢せず自分なりの抵抗の仕方で健康的に怒る方法を見つけること」などについて、著者の実践と体感をもとに書かれた一冊です。
[目次]
生活と怒号
効率の悪い怒り方
当事者性一本槍
綴じる閉じない
生き方としての本屋
政治を拡大解釈する
あとがき
著者:和田拓海
発行:本屋メガホン
表記:日本語
W200mm×H70mm/16P/2023