
ルールを決めるのはいつもマジョリティ──見せかけの「権利」やシタリ顔の温情を前に、相手に「理解」を求めるだけでは一歩も進まない! 東大駒場で留学生たちが目を輝かせたゼミを収録。お仕着せの《平等》にNoを突きつけ、《よい子の女性運動》と訣別する、アートと叛逆のフェミニズム講座。
◎プロフィール
嶋田美子
1959年東京生まれ、千葉県在住。1982年、米国スクリップス大学卒。2015年、英国キングストン大学より博士号(美術史)取得。作品テーマは第二次世界大戦の文化的記憶と第二次世界大戦中での加害者・被害者としての女性の役割。表現方法は版画、ビデオ、パフォーマンス、リサーチ、アーカイブなど多岐にわたる。
嶋田は、昭和天皇が崩御した1988年より、女性と戦争をテーマに作品の制作を始める。それは、男性中心に語られるこの時期における女性の機能と功罪をリサーチすることにより、従来のフェミニズムを批判的に乗り越えようという試みであった。権力により組織された大日本婦人会のあり方や表象を作品中に取り込み、また韓国人慰安婦に対する日本人女性が、どのような立場をとることが可能かを検証する作品を発表した。
その後、戦争期の女性だけではなく家庭やコミュニティ内においての存在の虚実を、フィリピン、韓国、インドネシア、タイといったアジア圏で採取するフィールドワークを行う。また、トランスナショナルならぬ、トランスセクシャルを扱ったパフォーマンス作品も制作。
近年は、美術史家、アーキビストとしても活動。研究対象は戦後日本の政治と芸術、オルタナティブ美術教育、フェミニズムなど。
嶋田の作品は、「Fanatic Heart」Para Site[香港](2022-23年)、「表現の不自由展、その後」あいちトリエンナーレ(2019年)、「Japan Unlimited」MQウィーン(2019年)、「Beyond Hiroshima」テルアビブ大学(2015年)等、国内外で広く展示されている。また、2017年には、オオタファインアーツにて「ニルヴァーナからカタストロフィーへ ― 松澤宥と虚空間のコミューン」をキュレーション。2019年、「松澤宥と諏訪のスピリチュアリティ」(「概念芸術とマテリアリティ」:Brill)を、2020年秋、「現代思潮社・美学校」(「The Red Years」:Verso)を出版。2017年より東京大学教養学部非常勤講師として戦後日本の美術、政治、フェミニズムについて講義を行う。
著者:嶋田美子
出版元:白順社
表記:日本語
H188mm×W128mm/256P/2023
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