
炒米粉、魯肉飯、冬瓜茶……あなたとなら何十杯でも――。
結婚から逃げる日本人作家・千鶴子と、お仕着せの許婚をもつ台湾人通訳・千鶴。ふたりは底知れぬ食欲と“秘めた傷”をお供に、昭和十三年、台湾縦貫鉄道の旅に出る。
1938年、五月の台湾。
作家・青山千鶴子は講演旅行に招かれ、台湾人通訳・王千鶴と出会う。
現地の食文化や歴史に通じるのみならず、料理の腕まで天才的な千鶴とともに、 台湾縦貫鉄道に乗りこみ、つぎつぎ台湾の味に魅了されていく。
しかし、いつまでも心の奥を見せない千鶴に、千鶴子は焦燥感を募らせる。
国家の争い、女性への抑圧、植民地をめぐる立場の差―
あらゆる壁に阻まれ、傷つきながら、ふたりの旅はどこへ行く。
◎プロフィール
楊双子
(Yang Shuang Zi)1984年生まれ、台中市烏日育ち。本名は楊若慈、双子の姉(「楊双子」は双子の姉妹「楊若慈」と「楊若暉」の共同ペンネーム)。小説家、サブカルチャー・大衆文学研究家。本作が初邦訳の小説作品。その他の著書に『花開時節』『撈月之人』『花開少女華麗島』(未訳)や、著者原作のマンガ『綺譚花物語』(サウザンブックス)がある。現在は台湾の歴史を題材にした小説執筆に力を注いでいる。
三浦裕子
仙台生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。出版社にて雑誌編集、国際版権業務に従事した後、2018年より、台湾・香港の本を日本に紹介するユニット「太台本屋 tai-tai books」に参加。文芸翻訳、記事執筆、版権コーディネートなどを行う。訳作に林育徳『リングサイド』、ライ・ホー『シャーロック・ホームズの大追跡』など。
著者:楊双子
翻訳:三浦 裕子
出版元:中央公論新社
表記:日本語
H191mm×W131mm/300P/2023
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