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「この国で、生きていても死んでいても居場所がないのは、同性愛者だけ」
実際に起こった事件を題材にセネガル社会のタブーに切り込み、集団の正義のために暴力を行使する人間の根源的な愚かさと、社会から排斥されることへの潜在的な恐怖を克明に描いた衝撃作。
セネガル人の若き文学教員はある日、ネット上で拡散されていたとある動画を目にする。
そこに映っていたのは、死んだ男性の墓を人々が暴いている様子だった。
同性愛をめぐる問題には無関心な彼だったが、思いがけずこの事件を取り巻く騒動に巻き込まれていくうちに、墓を暴かれた人物について興味が湧き始める。さまざまな人に話を聞くうちに、彼が直面した真実、そして選択とはー。
31歳にして世界三大文学賞の一つ、
ゴンクール賞を受賞したセネガル人作家、初邦訳作品。
◎著者プロフィール
モハメド・ムブガル=サール
1990年、セネガルはダカールに生まれる。医者の父親をもち、セネガル随一の名門高校を卒業後、渡仏。名門グラン・ゼコールの1つとして知られる社会科学高等研究院に入学し、現在も博士課程に在籍。
2015年、ジハーディストに占拠されたサヘル(北アフリカの丘陵地帯)の架空の村を舞台にしたデビュー作『Terre ceinte(仮題:囲まれた地)』でアマドゥ・クルマ文学賞、Prix du roman métis des lycéens(高校生が選ぶ多文化小説賞)を獲得。2017年、シチリア島のある村へ流れ着いた移民たちを描いた第2作『Silence du choeur(仮題:聖歌隊の沈黙)』でサン・マロ市主催世界文学賞に選ばれる。
2021年11月、『La plus secrète mémoire des hommes』で、フランスで最も権威ある文学賞の一つであるゴンクール賞に選ばれる。
著者:モハメド・ムブガル=サール
日本語訳:平野暁人
出版元:英治出版
表記:日本語
H188mm×W128mm/224P/2022
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