
同性婚がゴールとされることで隠蔽されるものは何か
結婚制度の政治性をあぶりだし、異性愛主義的家族規範を問いなおす試み
クィア・スタディーズの現在地を知るためのシリーズ 第2巻
◎目次
はじめに
第1章
国勢調査と同性カップル世帯〈釜野さおり〉
排除と可視化のはざまで
はじめに
1 海外の人口センサスにおける同性カップル世帯
2 日本の国勢調査と同性カップル世帯
3 同性カップルは国勢調査にどう答えるか―聞き取り調査から
4 同性カップル世帯の扱いをめぐって
おわりに―クィア方法論の視点から
Column■人権を守るのは誰か〈谷口洋幸〉
第2章
ようこそ、ゲイ ・ フレンドリーな街へ〈清水晶子〉
スペースとセクシュアル ・ マイノリティ
1 プライバシー・イン・パブリック
2 ヘテロ・スペースのクィアな占拠
3 エキゾチック・ゲイ・タウン
4 スペースなき多様性
Column■アジアにおけるクィア・スタディーズの発展とその背景―台湾の事例から〈福永玄弥〉
第3章
女性同士の《結婚》〈赤枝香奈子〉
はじめに
1 結婚の重層性
2 雑誌記事に見る女性同士の結婚
3 法律婚としての同性婚を求める動き
おわりに
第4章
忘れられた欲望と生存〈志田哲之〉
同性婚がおきざりにするもの
はじめに
1 性的少数者の誕生と社会運動のはじまり
2 家族への道と「日々の社会的実験」
3 「性の多様性」の欺瞞―欲望とラディカリズムの忘却
おわりに―連帯の不可能性と模索
Column■セックスワークとクィア〈宮田りりぃ〉
第5章
結婚制度の政治性と同性婚〈菊地夏野〉
同性婚によって正当化される結婚制度
はじめに
1 同性婚・同性パートナーシップをめぐる現状
2 同性愛者解放運動の理論的位置づけ
3 結婚制度の政治性と構造
4 新自由主義による結婚の変質と同性婚の関連性
5 可視化と隠蔽
おわりに
第6章
天皇制とジェンダー/セクシュアリティ〈堀江有里〉
国家のイデオロギー装置とクィアな読解可能性
はじめに―時の支配と天皇制
1 皇位継承とジェンダー役割
2 国民統合のイデオロギー装置の構築
3 〈レズビアン存在=反天皇制〉の理念的可能性
おわりに―今後の課題
Column■クィアコミュニティと性暴力〈岡田実穂〉
第7章
家族の物語からのクィアな逸脱〈長山智香子〉
角田光代『八日目の蝉』にみる時間と空間
はじめに
1 作品の概要
2 ラブホテルで作られる母子の絆
3 がらんどうの空間と身体
4 過去想起と妊娠、ジグザグな時間
おわりに
Column■セクシュアル・マイノリティと地域〈宇佐美翔子〉
著・編: 菊地夏野、堀江有里、飯野由里子
著:赤枝香奈子、釜野さおり、志田哲之、清水晶子、長山智香子
出版元:晃洋書房
表記:日本語
H188mm×W128mm/216P/2022
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