スポーツはジェンダーと切り離せない。
スポーツは「男らしさ」の規範を強化し、「女らしさ」を監視してきた一方で、ジェンダー規範に揺さぶりをかけてきた。
フェミニズムの視点で捉えなおして、
スポーツや運動をいま、私たちの身体に取り戻そう!
フェミニズムを身近なテーマから考えるマガジン「エトセトラ」6号目が取り上げるのは、「スポーツ」。スポーツとジェンダー・セクシュアリティ研究の井谷聡子責任編集のもと、読者アンケート、論考・エッセイ、スポーツ史年表、多様なインタビューで構成。
◎目次
はじめに
【エッセイ】
松田青子「ようやく気づけた」
キム・ホンビ「私たちのグラウンドを広く使う方法」(小山内園子 訳)
津村記久子「スタジアムの女の人たち」
【読者アンケート】
スポーツ・運動と私たちの関係
【ジェンダーでスポーツを考える】
井谷惠子「『体育嫌い』とジェンダー・ポリティクス」
熊安貴美江「スポーツが内包するハラスメント、暴力」
(インタビュー)
飛騨シューレ・山田ゆかり「スポーツとの関係を変えるために、子どもたちと一緒に場所をつくる 」
(レポート)
小川たまか「女性のための護身プログラム『Wen-Do』を体験する」
小林美香「五輪広告の女神たち 『美しさ』と『強さの表象』」
小林直美「オリンピックニュースをジェンダー・センシティブに――報道内容と報道される選手の権利―― 」
【年表】
ジェンダー視点でふりかえる女性スポーツ・体育この100年(作成:小石原美保)
【エッセイ】
伊藤春奈(花束書房)「スポーツに自由を見た女性たち――『強さ』を入り口に」
【インタビュー】
今日和「女子相撲を広げるために、やりたいこと」
【スポーツと生きる】
ケイト・シルベスター「強い絆と集団的沈黙:女性にとっての剣道の矛盾」(高井詩穂 訳)
水野英莉「サーフィンが自由な身体文化であるために」
関めぐみ「私が『女子マネージャー』を研究する理由」
井谷聡子「東京2020とトランス選手と」
(インタビュー)
サヴォイ・“カパウ!”・ハウ「トランスジェンダーも、共に安心できるボクシングジムができるまで」
特集のおわりに
【連載】
編集長フェミ日記 2021年7月〜9月/井谷聡子
ここは女を入れない国 第4回山と女人禁制(前編)/伊藤春奈(花束書房)
Who is she? 第4回花をもって立つ彼女/大橋由香子
ふぇみで大丈夫 vol.2 スガ・バッハの行いを精神障害者に押し付けるな/ナガノハル
LAST TIME WE MET 彼女たちが見ていた風景 vol.6/宇壽山貴久子
私のフェミアイテム 06 Nami Sato
NOW THIS ACTIVIST vol.5 長位鈴子
etcbookshop通信
【寄稿】
いちむらみさこ「オリンピック・パラリンピックに対する女性たちの抵抗」
岩間香純「ラステシスと私たち:現代のアクティビズムが繋ぐ痛みのコミュニティー」
【フェミリポート】
高柳聡子「ロシア、もうひとつのエピデミック」
◎著者情報
責任編集:井谷聡子
専門は、スポーツとジェンダー・セクシュアリティ研究。関西大学文学部准教授。2015年トロント大学博士課程修了。著書に『〈体育会系女子〉のポリティクス―身体・ジェンダー・セクシュアリティ』(関西大学出版部)、監訳書にヘレン・レンスキー『オリンピックという名の虚構』(晃洋書房)、ジュールズ・ボイコフ『オリンピック―反対する側の論理』(作品社)がある。