やさしくなりたい vol.2

やさしくなりたい vol.2

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◎出版社レビューより ■はじめに 今も続く新型コロナウイルスの影響は、東京の片隅で暮らす僕のもとにも、やはり意外な形であらわれた。 時はさかのぼり、まだ大学生だったときのこと、僕は友人と訪れたラーメン屋で大盛りのつけ麺を頼んだ。食べざかりのハタチ前後、大盛りが無料であればそれを頼まない理由はなかったからだ。しかし、目の前に置かれたそのどんぶりには、予想の3倍を遥かに超えるかという物量の麺が鎮座していた。余裕綽々の面持ちで頼んだ手前、残すなどという選択肢は残されていない。謎のプライドに突き動かされた僕は無理やり食べきり、その直後、友人の前で盛大にリバースした。 あまりに間抜けな話だが、その日からしばらく、僕は他者の視線を意識すると、突然吐き気がこみ上げてくるという発作にも似た症状に襲われるようになった。 パンデミックで変わったことの一つに、取材や打ち合わせの方法がある。当然、これまでは対面で行うことのほうが圧倒的に多かったが、感染拡大により、ほどなくしてZOOMなどのビデオ会議方式に移行した。 これがどうやら自分の発作出現の条件にピタリと合致したらしい。もう何年もご無沙汰だったというのに、ZOOM で取材を行っていると、突然吐き気がこみ上げ、画面ではなく身体がフリーズしてしまうという状況がしばしば生まれたのだ。 ZOOM などのビデオ会議ツールは、話し手と聞き手を明確に分離するため、おそらくリアルで話しているときよりも、僕に他者の視線を強く意識させたことが原因なのだろう。まさかこんな形で影響を被るとは思いもよらなかったが、ことほどさように身体はままならない(現在は慣れたのか解消された)。 そういうわけで(?)前号に引き続き、本誌は「ままならない身体」とのそれぞれ異なる付き合い方や考え方を探っていく。そのことが、孤独に自身の身体と格闘している方に何かしらヒントを与えると同時に、異なる身体を持つ他者への想像力を育む一助になると願って。 ■テキスト抜粋 こうして病院にバンバン身を任せ、改造しまくって生きていることにはけっこう誇りを持っています。なかなか人が経験できないことをしているわけだからね。(能町みね子) まず「歌えない」ということにぶつかることから始めて、徐々になじませていく。できないことを受け入れたら、そこから少しずつできることが出てくるので、毎回その繰り返しですね。(尾崎世界観) ■目次 02|はじめに 06|能町みね子:改造ボディを乗りこなせ 12|尾崎世界観インタビュー:音楽を続けるために、音楽から離れる(聞き手・文:野地洋介) 22|古谷経衡:わからないから想像する。パニック障害への無理解を越えて 30|みんなのセルフケア 36|生湯葉シホ:透明な狂犬のかたちをした私の不安 42|郡司ペギオ幸夫インタビュー:不確実性に満ちた身体を感じるための「装置」をつくる(聞き手・野地洋介 構成:生湯葉シホ) 54|和島香太郎:映画とてんかんの日々 60|藤原辰史インタビュー:よそ者と生きる ーー世界と身体の豊かな関係性(聞き手・文:野地洋介) 70|野地洋介:Editor's note 応答の過程で 74|宮崎智之:セルフモニタリングとしての読書 80|編集後記 編集・発行:野地洋介 表紙イラスト:nico ito デザイン:清水藍 表記:日本語 H182mm×W182mm/80P/2021 *Overseas shipping OK *Free shipping on orders over ¥ 10,800 in Japan only. Overseas shipping charges apply.