◎出版元レビューより
ひとりの旅行者である私たちは、均質化する世界で
なにを見つけ、なにを考え、なにを書くことができるのか
タイ、ラオス、熱帯アジアを「観光」する
「あるときわたしは、なんだか自分がまだ旅をつづけているような感覚に陥ってしまっていることに、はたと気がついた。」2018年8月のとある10日間の旅の記憶が、書くという現在との往復を通して、今もこの時間を流れている。スマートフォンとSNSが当たり前になった現代の、いまどき真っ当な「観光」旅行記!
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『馬馬虎虎(マーマーフーフー) vol.2 タイ・ラオス紀行』は、これまでは自らのルーツ(日台ハーフ)や留学経験を活かし、主に台湾をテーマにした作品を発表してきた著者が、2018年の8月に初めてタイとラオスを訪れたときの海外旅行記です。
「バックパッカーの聖地」とも呼ばれ、いまだ海外旅行先として根強い人気を誇るタイ。その隣国でありながら、日本ではほとんど知られていない「東南アジア最後の秘境」ラオス。
そんなふたつの国を、決して「旅慣れているわけではない」著者が、バックパッカーや現地在住者ではなく、あくまでも「一観光客」の視点から、ユーモラスな文章と豊富な写真によって描いた本書は、読んだ後に思わず海外旅行に行きたくなるような親しみやすい本になっています。
また、タイやラオスの風土や文化、社会状況や差別意識、環境問題、そして観光客であることの意味といった、骨太なテーマにも、堅苦しくない等身大の平易な言葉とともに、 真正面から取り組みながら綴った一冊でもあります。
帰国後のコロナ禍の日本で執筆された本書は、現地での旅の記録というだけではなく、結果的に「旅をすること」自体を考察する側面も持つことにもなりました。
異文化の中を通り過ぎること、均質化する世界でそれでも観光に出かけること、旅行記を書くという行為を通してその後も考え続けること……。
写真集やアートブックを数多く手がける藤原印刷さんのご協力のもと、用紙や発色など造本にもこだわり、スマホやSNS全盛の時代に、あえて本という「遅い」メディアを使うことによって、本を手に取ることの喜びと、旅を読むことの面白さに、いまいちど立ち返ることを目指した射程の長い旅行記になっています。
◎目次
ウェルカムトゥータイランド!
ルンピニーで朝食を
ヤワラート
ムエタイなんか見るわけない
メコン川のほとりで……
キング・オブ・メコン
ラオスのサウナでいったい何があったというんですか?
マジでラーオ?
イサーンディスコ
まえがきのようなあとがき
◎著者プロフィール
檀上 遼(だんじょう りょう)
1983年生まれ、神戸市生まれ。日本人の父と台湾生まれ香港籍の母とのハーフ。文筆業と写真を中心に活動中。
2015年に台湾滞在記『馬馬虎虎 vol.1 気づけば台湾』、
2017年に台湾旅行記『声はどこから』(篠原幸宏共著)
2021年にタイ・ラオス旅行記『馬馬虎虎 vol.2 タイ・ラオス紀行』刊行。
著:檀上 遼
写真:檀上 遼
装丁:檀上 遼、篠原幸宏
表記:日本語
H188mm×W128mm/208P/2021
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