














2021年1月に日本でも知られる台北の書店“田園城市生活風格書店”で開催された、鄭庭維さんと林家夯さん二人の写真家による展覧会『Roommate』。
その展覧会に合わせて制作された鄭庭维さんの写真集『ROOM』。
1993年生まれの彼と、台北に暮らす同年代の男性たちが、部屋の中で外でみせる姿とは違う、リラックスした佇まいでそこに存在するのを捉えた写真からは、鄭さんと被写体とのカメラ越しの親密さを感じます。
「たくさんの見知らぬ人の部屋へ行くたびに、その人の部屋の内装や好きな本、好きな音楽などを見て、相手のことを知り、部屋の親密な空間での交流することがとても楽しくなりました。そんな中で、写真を撮ることで、お互いのことをより知ることができました。
部屋とは、そこに暮らす人が自分自身でいるための最も心地よい場所だと思っています」
写真集『ROOM』について彼は、今回の写真集は16年前、写真を始めた頃から続けている企画で、最初は元彼が留学へ行く前に、その彼の“部屋”で彼を記憶に留めようとフィルムカメラで撮影したのがきっかけだったと言います。
また、高校時代に出会った、森栄喜さんの写真集『tokyo boy alone』や『intimacy』で見た、繊細な感情を映し出した綺麗で心地よい光の写真からも影響も受けているそうで、実際、写真集『ROOM』は、台湾を代表するグラフィックデザイナー聶永真さんがデザインした写真集『tokyo boy alone』へのオマージュも感じます。
鄭さんと同世代のグラフィックデザイナー林正祐さんによる装丁は、コデックス装で綴じられ、表紙はボールをグレーの紙で包んで、そこにプリントされた写真を貼り、上から箔押しでタイトルの「ROOM」を重ねた美しい仕上がりになっています。
◎プロフィール
鄭庭维|Ting-Wei ,Zheng
1993年生まれ、台北出身、台北大学経営管理学科卒。 昔の映画や舞台劇、自主制作の音楽が好き。フリーのカメラマン。
・2020年 Wonder Foto Day 台北国際写真芸術交流展 入選
・良日激動所 第2回 写真グループ展「浸泡・手槍・肥皂箱」入選。
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『Roommate』林家夯x 鄭庭維攝影展
2021.01.09SAT~2021.01.31SUN
田園城市生活風格書店
元彼は自分たちのことを周囲に説明する時に「僕たちはただのルームメイト」という言い方を使っていた。
“部屋”の中は最も親密な距離を感じる場所で、僕らはそこで本当の自分をさらけ出し、互いにコミュニケーションをとっている。一緒に笑って暮らしているけれど、常に分断も起こったりして、そんな表裏一体の存在、成長と傷と不安のあと、写真を撮ることで、そこに存在する実像の感情を探求する。
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著:鄭庭維
装丁デザイン:林正祐
H230mm×W170mm/116p/2021
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