



「この本は、ロールモデルが見えない、セクシュアルマイノリティの子供たちに捧げられています」
2019年台北国際ブックフェア 最優秀ノンフィクション賞受賞、授賞式での著者・謝凱特さんのスピーチより
「小学生の時、兄と一緒にレインボーチャンネルを見ました。兄は女の子を見ていたのですが、僕は男の子を見たかった。画面のほとんどは女の子でした、でも僕は画面の隅にいる男の子を探していました」
「中学生くらいになると、ほとんどの人はアイドルドラマのような恋愛に憧れ、そこで描かれるのはすべて異性愛者の物語でした。当時は同性愛者という存在が描かれていなかったので、僕は手探りするしかなかった」
「同級生からいじめられないように、僕は彼らと一緒に他人をからかった。さもないとそこで生きられなかった。他人が自分をからかうのではないかと恐れて、僕は他人を笑った。その頃は良い教育を受けていなかった。僕が中学だったのは2000年、男女共同参画は2004年のことで、高校を卒業するまでジェンダーやセクシュアリティのことを教わることはなかった」
「高校生の頃は、自分が誰であるかを完全に理解しておらず、学校生活に大きな支障がありました。僕は戸惑い、ホームルームの時間は寝ているふりをして他の人と話したくなかった。あまりにも多くの矛盾や葛藤が自分に起こりました。現在の教育は?セクシュアルマイノリティの学生に多様なセクシュアリティやジェンダーのあり方が提供できていることを願います」
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『我的蟻人父親』は、謝凱特さんがはじめて書いた本です。家族、友情、愛する人、そして自分自身に焦点を当てて書かれています。同時にこの本は、2019年に同性婚が法制化された台湾について、ある家族を通して見た1990年代からの成長の記録でもあります。
「自分のセクシュアリティを肯定する段階で、私は父と前向きな会話をしたことがなく、父は私がゲイだと知っていたが、お互いに沈黙し、言葉で話すことはできなかった。伝統的な家族観を持つ父に自分の感情を受け止めてもらうのは難しいと思っていた」
ずっと働き続けてきた父が倒れ亡くなった時、著者はそれまでずっと父を避け続けたことに苦しみます。ずっと自分の中で蟠っていたこと両親や兄弟との感情的なつながりを再構築するために『我的蟻人父親』は書かれました。
巻末には16ページにわたる家族の思い出を重ねた写真集も収録されています。
◎『我的蟻人父親』のトレーラー
https://vimeo.com/313171800
著者:謝凱特
写真:王志元
出版元:逗點文創社
表記:中国語(繁体字)
H190mm×W128mm/304P/2018
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