AIDSアクティヴィズムの視覚文化のあり方を定義づけたグラフィック・ポスターを通じて、その歴史を一望する——
アーティスト・コレクティブ、グラン・フューリー〈Gran Fury〉の全貌に迫る一冊。
“Gran Fury(1988–1995)”は、1987年に設立された政治的アクティヴィズム団体「アクト・アップ/ACT UP(AIDS Coalition to Unleash Power)」から生まれた、ニューヨーク拠点のアクティヴィスト・アーティスト・コレクティブです。その名称は、ニューヨーク市警察が使用していた車種「グラン・フューリー」に由来し、集団としての怒りと抗議の姿勢を象徴しています。「アクト・アップ」はエイズ患者の権利拡大を訴えた組織であり、政治活動を通じて、アメリカにおけるHIV/AIDSの危機に対する意識を高めることを目的として活動し続けている。
Gran Furyは、グラフィック・デザインを駆使したキャンペーンを通じて、HIV/AIDS危機に対するロナルド・レーガン政権の無関心、放置、沈黙に対し、人々の目を開かせる活動を展開しました。ポスター、新聞、ステッカー、写真、映像、ビルボードなど、さまざまなメディアを駆使して制作された彼らの作品は、社会の認識を揺さぶり、偏見と差別を打破し、公的政策の欠陥や報道されないデータを問い直し、宗教団体がもたらす道徳的抑圧を突きつけるものでした。HIV/AIDSに対する認識を変え、非効率的な公共政策や過小報告された政府データに疑問を投げかけ、メディアによる誤解の流布を止め、宗教団体が持つ道徳に立ち向かい、HIV/AIDSとともに生きる人々が直面する偏見や差別を緩和すべく、世に流通させたのです。
また、象徴的なピンク・トライアングルのポスターで知られる〈Silence=Death Project〉など、他のアクティヴィスト団体とも連携し、視覚的言語による抵抗のネットワークを築いていきました。
本書は、これまで未公開だったエッセイ、当時のインタビュー、稀少なパンフレットや写真、エフェメラ(一次資料)などを豊富に収録した、Gran Furyの包括的なカタログです。社会変革のための新たな視覚言語の誕生と展開を辿るこの書籍は、20世紀後半におけるアートとアクティヴィズムの交差を読み解く上で、欠かすことのできない貴重な資料となるでしょう。
『Gran Fury: Art Is Not Enough』より
アートだけでは足りない。だからこそ彼らは、街に、壁に、社会に、叫びを刻んだのです。
出版元:MUSEU DE ARTE DE SÃO PAULO ASSIS CHATEAUBRIAND (MASP) / KMEC BOOKS
表記:英語
H273mm×W205mm/216P/2025
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