韓国社会の片隅で
小さいけれども確かな光を放つ122人の声を丁寧に拾った
ハンギョレ新聞の長期連載の一部を書籍化。
刊行後、5年で14刷を重ねる異例のインタビュー集。
◎元JTBC「ニュースルーム」アンカー、立命館大学客員教授
ソン・ソッキ 推薦の辞
「イ・ジンスンを最も彼女らしく表現できるのがこの本に収録されたインタビューであることは間違いない。世の中には多くのインタビュー集があるが、「人」に着目することで社会を浮かび上がらせたものはそう多くないだろう。毎回、長いインタビューをしながらも惰性に陥ることなく、「人」に対する愛情を見せてくれた彼女の仕事ぶりがありがたく、感嘆しながら見守ってきた。「六十にして耳順う」とからかわれていた頑固な彼女から、こんな成果物が出てくるとは想像もできなかったが、それでも常に、彼女に対する信頼があった」
◎目 次
プロローグ
第一部 心の命ずるままに
どうしてそこに行ったのかって?
三人の子どもの父親だからです | キム・ヘヨン
期待もしない、希望もない、でも原則は捨てない | イ・クッチョン
私はもっと勇敢であるべきだった | ノ・テガン
淡々と生きるための、揺るぎなさ | イム・スルレ
第二部 傷ついた心を抱きしめる
大韓民国の老害たちの人生から自分自身を知る | チェ・ヒョンスク
苦しみの話を、苦しみながら聞いてくれる人 | ク・スジョン
私はレズビアンの母親、フォミです | イ・ウンジェ
原始的感覚の力 | ソン・アラム
第三部 懐疑と拒絶で選んだ人生
無事におばあちゃんになれるだろうか | チャン・ヘヨン
ピンクのソファを蹴って出てきた「優雅なマッド・ウーマン」 | ユン・ソンナム
英雄でも愚か者でもない民草たちの語り部 | 黄晳暎
正解はない、無数の解答があるだけ | チェ・ヒョングク
偉大にて、卑小な、すべての人々へ 日本語版刊行に寄せて
訳者あとがき
◎プロフィール
●著者:イ・ジンスン
財団法人ワグル理事長。
1982年にソウル大学社会学科入学。1985年に女子として初の総学生会長に選ばれる。20代は学生運動と労働運動の日々を過ごし、30代になってから放送作家として〈MBCドキュメントスペシャル〉〈やっと語ることができる〉などの番組を担当した。
40歳で米国のラトガーズ大学に留学。「インターネットをベースにした市民運動研究」で博士号を取得後、オールド・ドミニオン大学助教授に就任し、市民ジャーナリズムについて講義をした。
2013年に帰国して希望製作所副所長に。
2015年8月から現職。市民参与政治と青年活動家養成を目的とした活動を展開している。
●訳者:伊東順子
ライター、編集・翻訳業。愛知県生まれ。1990年に渡韓。ソウルで企画・翻訳オフィスを運営。
2017年に同人雑誌『中くらいの友だち 韓くに手帖』(皓星社)を創刊。近著に『韓国 現地からの報告 セウォル号事件から文在寅政権まで』(ちくま新書)、『韓国カルチャー 隣人の素顔と現在』『続・韓国カルチャー 描かれた「歴史」と社会の変化』(共に集英社新書)、訳書に『搾取都市、ソウル韓国最底辺住宅街の人びと』(筑摩書房)などがある。
著者:イ・ジンスン
翻訳:伊東順子
出版元:クオン
表記:日本語
H188mm×W128mm/360P/2024
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