雑誌、パレード、クラブカルチャー……
今につながるシーンを創った人びとの半生とは「口述」「解説」の2本柱で日本におけるゲイの運動・経済・文化の来歴を明らかにし、貴重な記憶も書き留めた。
語り手=南定四郎、マーガレット(小倉東)、ケンタ。
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「運動というのは空想ではないんだ、生活を含めたサービスが大事なんだということに目覚めたわけね。そうするといろんな方法やアイディアが出てくる」
―南定四郎/『アドン』編集長、国際ゲイ協会日本サポートグループ事務局長
「『ゲイリブとエイズは記事にしないで、売れなくなるから』と言われた瞬間、私がやるべきことはこの人をパレードに歩かせることだって思った」
―マーガレット(小倉東)/『バディ』スーパーバイザー、ドラァグクイーン
「『真面目なことばかりしていても、人って変わらないんじゃないかな』と。楽しいことを享受させながら、人を変えていく方法のほうが早いと思ったんだよね」
―ケンタ/ゲイナイト運営者、ゲイバー店主、札幌パレード実行委員
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いま“当たり前”になっている様々な物事が、その前史においてどのように切り拓かれてきたのか。セクシュアリティの文化史・社会史研究者4名が聞いた、先駆者たちのオーラルヒストリー。 口述には豊富な用語解説や補足説明を付すとともに、解題的な論考を執筆。ゲイリブ、ゲイ・ビジネス、ゲイ・カルチャーの展開との関連性がわかる「口述者3名の年譜」も収録。
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◎目次
序 〔石田 仁〕
第Ⅰ部 南定四郎さん
第1章 南定四郎さん口述 〔聞き手 石田仁・三橋順子〕
仕事仲間から新宿のゲイバー「イプセン」を教えられる/「アドニス」でKくんと知り合う/初めての性的体験、肉体的接触/「アドニス」から「夜曲」に鞍替えする/東京建設従業員組合での選挙運動/演劇の学校巡業と「横領」事件/Kくんと再会し、『アドニスボーイ』創刊へ……ほか 【脚注 三橋順子】
第2章 思想/実践の「乗り物」として生きる 〔石田 仁〕
はじめに
1 南さんの先進性――思想の変転と「ゲイ・インダストリー」
2 埋まらなかった溝――東京パレードの問題フレーム
おわりに
第Ⅱ部 マーガレット(小倉東)さん
第3章 マーガレット(小倉東)さん口述 〔聞き手 鹿野由行・斉藤巧弥・石田 仁〕
ヘアメイクから編集の仕事へ/『バディ』創刊時代/『バディ』編集部の中/ドラァグとフィスト熱/『バディ』編集部のカリスマ/『アニース』編集部は同居するも独立国家/精霊流し/続刊の理由……ほか 【脚注 鹿野由行】
第4章 “ゲイ”を生きる――分裂と統合のその先に 〔鹿野由行〕
はじめに
1 ゲイとホモの間に
2 新しい生き方の芽生え――ムーブメントを構想する
3 『バディ』にみる3つの分裂と超克
4 カルチャーの生成――開花する「ゲイ的」な生き方
おわりに
第Ⅲ部 ケンタさん
第5章 ケンタさん口述 〔聞き手 斉藤巧弥〕
セクシュアリティの気づき/「コミュニティ」との出会い/札幌ミーティングとの出会い/交友関係の広がりと周囲からの批判/リブへの気づき/ゲイナイトの始まり/ゲイバーからゲイナイトへの批判/解放を求め上京……ほか 【脚注 斉藤巧弥】
第6章 リベレーションからムーブメントへ――札幌の運動と「ゲイコミュニティ」 〔斉藤巧弥〕
はじめに
1 札幌ミーティングについて
2 日本の性的マイノリティの運動における札幌の立ち位置
3 「楽しい」運動
4 ゲイ・ビジネスと運動の融合
5 東京の運動との類似・相違
6 運動における性的欲望
7 「戦略」と「仕掛け」
おわりに
あとがき 〔石田 仁〕
著者:石田仁、斉藤巧弥、鹿野由行、三橋順子
編集:石田仁
出版元:明石書店
表記:日本語
H188mm×W128mm/440P/2023
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