田舎の狭い人間関係、排他的な空気、暴力的な父親、そして母親からの過度な期待と支配から逃れるように、瀬戸内の島から憧れの東京に出たマヤは、二丁目で出会った恋人・ジェシカとの結婚を機に、彼女の故郷であり、母の故郷でもある台湾へ渡る。旧暦の大晦日、ジェシカの親族が集まる年夜飯に誘われたマヤは、思いがけず母の生まれ育った町を訪れることになり、自分自身で封印していた記憶がどんどん蘇ってくる…。
◎プロフィール
李琴峰
1989年台湾生まれ。日中二言語作家、翻訳家。2017年、初めて日本語で書いた小説『独り舞』(講談社)が群像新人文学賞優秀作を受賞し、作家デビュー。2019年発表の『五つ数えれば三日月が』(文藝春秋)は芥川龍之介賞と野間文芸新人賞のダブル候補となる。2021年、『ポラリスが降り注ぐ夜』(筑摩書房)で芸術選奨文部科学大臣新人賞を、『彼岸花が咲く島』(文藝春秋)で芥川賞を受賞。他の著書に『星月夜』(集英社)がある。
著者:李琴峰
出版元:U-NEXT
表記:日本語
H174mm×W112mm/132P/2023
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