フリーライターの小沼理さんが綴った、一緒に暮らす同性のパートナーとの日々、劣化していく社会や政治への憤り…コロナ、オリンピック、元首相銃撃事件と著しい社会変化があった3度の夏の日記が一冊の本になりました。
15歳の頃からずっと日記を書き続けてきた小沼さん。
日記を書くことは日本で生きているゲイ男性の1人としての「アクティヴィズム」でもあったー
日々の生活を日記にして発信することで、自分をいないことにする力に抗いたかったという小沼さんの開かれた日記集です。
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新型コロナウイルス、東京オリンピック、元首相銃撃事件。著しい社会変化があった3度の夏、それでも生活は続いていく。
迷い、怒り、喜び、苦しみ、考え、先へ向かう、注目のフリーランスライターによる3年間の日記。
私はエラー。この感覚は今も続く。「自分がかかわると事態は必ず悪い方へ進む」というイメージも、やっぱり消えない。でも、それで構わない。身につけてきた生き抜く術に愛着をもっているから、人生をやり直したいとは思わない。そう思えるところまではたどり着いた。今は社会の構造や風潮に問題があると知っていて、変えていきたいと思う。個人的な実感から構造を問う文学や映画、音楽の存在に励まされている。ひどいニュースを見るたび、いい加減にしてくれ、と怒りたくなる。その力で、先へ向かおうとすることはできる。足取りに自信がなくても、進みたい方向ははっきりわかっている。(本文より)
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表紙絵は、loneliness booksの本棚から小沼さんが見つけてくださった韓国の漫画家、チョン・イヨンさん。デビュー作『移ろう季節の中で』は映画になりレインボーリール東京でも上映されました。新作『진, 진』も素晴らしいです。小沼さんと恋人が出掛けた奥多摩の景色を瑞々しく描いてくださいました。
コロナ、オリンピック、元首相銃撃事件と著しい社会変化があった3度の夏。自分は何をして、何に憤って、何に悲しみ、何に喜びを感じていたのかを重ねながら、折々にゆっくり読みたい一冊です。
著者:小沼理
挿画:チョン・イヨン
装丁:潟見陽
出版元:タバブックス
表記:日本語
H188mm×W128mm/272P/並製/2022
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