

「わたしはレズビアンが自殺しない物語が書きたかった」
「人間として生きていくのはとても大変です。私たちを苦しめているのは、一般人が想像するような挫折やストレスではなく、そもそも、私たちはこの世界の本質に適合していないのです」
かつて二人の女子生徒の遺書にはこう書いてあった。その事件から何年も経ち、私自身もとっくに彼女たちの年齢を超えてしまい、もし何かを言い足すとしたら、私が言いたいのは、「私たちはこの世界の本質に適合していないのです。だからこそこの世界を変えていかなければいけません」
〜李屏瑤(著者)
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台北の女子高に入学した「私」は、先輩の小游に心を奪われる。戸惑いながらも、淡い関係に踏み込んだ「私」だが、先輩の元恋人の存在を知り……。惹かれ合う少女たちの、苦悩と成長の日々を瑞々しく描いた青春物語。
台湾でベストセラーになった新時代のレズビアン小説。翻訳は著者の李屏瑤さんと同世代、芥川賞作家・李琴峰さん。
李琴峰さんによる訳者あとがきも、台湾のレズビアン文学や歴史、婚姻の平等を実現した台湾社会のことについて書かれていて必読です。
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台北の女子高に入学した「私」は、先輩の小游と惹かれ合い、戸惑いながらも付き合うことに。しかし、小游には親の無理解で入院させられていた元恋人・小莫がいた。
台湾大学に合格した小游と小莫は、大学近くのアパートで同居を始める。一年後、「私」も台湾大学に合格するが、二人とは距離を取ってしまう。
大学を卒業した小游と小莫は渡米し大学院へ。翌年卒業した「私」は台北で会社員になる。時は流れ数年後、小莫から国際電話で「心臓の手術をするため帰国する」と連絡があり……
今を生きる少女たちの揺れ動く青春の日々を、そして大人になった私と先輩たちとレズビアン友達の十数年の成長を、繊細かつ誠実に描き出した傑作。
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「この本は贈り物だ。袋小路に迷い込んだ若い魂たちや、子ども時代に傷つき、今もなお心に傷を追っている方たちへ、捧げたい。」
〜著者あとがきより
著者:李屏瑤
日本語訳:李琴峰
出版元:光文社
表記:日本語
H195mm×W135mm/252P/2022
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