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真っ赤な口紅をぬって / ペリーヌ・ル・ケレック

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フランスの詩人ペリーヌ・ル・ケレックさんが、2017年末から2018年の初めにかけて、フランス北部ノルマンディー地方ルヴィエの街で、DV被害者・性暴力被害者9人から時間をかけて話を聞き取り、その言葉に真摯に向き合って、書いた詩集『真っ赤な口紅をぬって』。 ケレックさんは訳者の相川千尋さんとのやりとりの中で、この詩集について“聞き取りを詩にすることで、DV被害者・性暴力被害者の匿名性と、個人の証言の普遍的なものにすることができた”とおっしゃっていたそうです。 同じようなことは、ドキュメンタリー映画の表現をアニメーションで表現することにも繋がるでしょうか。 ******* 本書は、フランスの女性詩⼈ペリーヌ・ル・ケレックがノルマンディー地方のルヴィエ市に滞在してDV(ドメスティック・バイオレンス)や性暴⼒の被害者である9人の⼥性たちに聞き取りをおこない、それをもとに執筆した57編の作品を集めた詩集です。おもにDVの被害をテーマにした「Ⅰ 生きのびた女たち」と、性暴⼒の被害をテーマにした「Ⅱ 彼女たちを讃える」の2部から構成されており、すべての詩作品は個人情報が特定されることがないように創作されています。 〜本文より ******** 悪いのは私 最初の男だった 悪いのは私 選択を間違えた 悪いのは私 18歳だった 悪いのは私 子供だった 悪いのは私 我慢した 悪いのは私 やらせておいた …… 悪いのは私 あとになってわかった 罪悪感 そのいくつもの顔 ぜんぶが 私のほうを向いていた ──「悪いのは私」より ひと言話すたびに、彼女たちは立ち直っていった。彼女たちの勇気、生きる喜び、力、それらに導かれて書いた。 〜「まえがき」より 「沈黙を破りたいという私たち共通の願い」。フランスの詩人・小説家である著者がDV(ドメスティック・バイオレンス)や性暴力の女性被害者たちに聞き取りをおこない、その経験をもとに執筆したフェミニズム詩集。 ******** DV(ドメスティック・バイオレンス)や性暴力の被害、女性を狙った犯罪は日本を含む各国で増加しており、全世界で女性が被害者になる殺人事件の多くが家庭内で起きていると言われます。本書はDVと性暴力の女性被害者の声を聞き書きした詩集です。親友に打ち明けるようなことばのひとつひとつに、苦しみを生きのびた女性たちの大切なメッセージが込められています。 解説で、北原みのりさんは性暴力根絶を目指すフラワーデモの経験を踏まえ、「自分の声が聞かれる場所」の大切さを語っています。本書を読み、声を聞くことが、女性に対する差別や暴力の問題について考えるきっかけになることを願っています。 〜出版社より ******* ◎目次 まえがき─滞在記より 2017年12月4日―2018年1月26日 I 生きのびた女たち いろんな理由をつけられて どこかに行けば うまくいく すさまじい暴力、すさまじい沈黙 地獄 ウェディングドレス 女らしさ おそるおそる あとどのくらいの時間 謝罪のあとで 悪いのは私 青あざ いくつもの危険 動詞「黙る」の活用 いくつもの禁止事項 涙 こっそり隠れて ベッドは 罵倒語 尋問 たくさんの質問 どんな扉も 私の家 目立たないように 「自分の部屋に行っていろ」 ジェットコースター 苦悩 出ていく まぬけ 急いで 名前を呼ぶ 判決の日 男女平等 戦争 インシャラー わが国の重要課題 ほんの少しでも のぞき穴 子供たち 黒パン/白パン(シルヴィーに) 安全な場所 ひとりの新しい女性 唯一の決まり びくびくして 私の楽園 本 勝利 刺繡 夢 逃げた女 どうかしている 売女みたいな口紅 II 彼女たちを讃える 霊柩車 私の体 沈黙 覚えておいて 私たちはあなたを讃える 儀式 自分の声が聞かれる場所 北原みのり 訳者解説 相川千尋 ◎著者プロフィール 著者:ペリーヌ・ル・ケレック(Perrine Le Querrec) 詩⼈、⼩説家、コラージュ作家。1968年、フランス・パリ生まれ。⼤学で美術史を学んだのち、フリーランスのリサーチ担当者としてテレビ局や出版社で働く。小説『ハサミさばき』『床』など著作多数。2017年、第2次世界⼤戦後にドイツ兵の愛⼈であったとして丸刈りにされたフランス人女性をテーマにした『丸刈りにされた⼥たち』を発表。各地の歴史的な記録や資料などの調査をもとに、声なき声を取り上げる作⾵を特徴としている。 訳者:相川 千尋(アイカワ・チヒロ) フランス語翻訳者、編集者。お茶の水女子大学大学院人間文化研究科修了。仏和辞典編集、仏大使館勤務を経て翻訳者に。訳書にリリ・ソン『私のおっぱい戦争』、リーヴ・ストロームクヴィスト『禁断の果実』(以上、花伝社)、ヴィルジニー・デパント『キングコング・セオリー』(柏書房)など。 著者:ペリーヌ・ル・ケレック 日本語訳: 相川千尋 出版元:新泉社 表記:日本語 H211mm×W140mm/128P/並製/2022 *Overseas shipping OK *Free shipping on orders over ¥ 10,800 in Japan only. Overseas shipping charges apply.

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