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女ふたり、暮らしています。

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韓国の単身世帯率は2020年調査では39.2%になったという。 単なるルームメイトでも、恋人同士でもない。 一人暮らしに孤独や不安を感じはじめたふたりは、 尊敬できて気の合う相手を人生の「パートナー」に選んだ。 単身世帯は原子みたいなものだ。もちろんひとりでも十分に楽しく暮らすことはできるけれど、ある臨界点を超えると、ほかの原子と結合して分子になることもできる。原子が二つ結合した分子もあるだろうし、三つ、四つ、あるいは十二個が結合した分子の生成も可能だ。固い結合もあれば、ゆるい結合もあるだろう。女と男という二つの原子の固い結合だけが家族の基本だったという時代は過ぎ去ろうとしている。この先、多様な形の「分子家族」が無数に生まれるだろう。分子式にたとえるなら、私たち家族はW2C4といったところだろうか。女ふたりに、猫が四匹。今の分子構造はとても安定している。 〜本文より タイムマシンを手に入れたら、いちばん最初に『女ふたり、暮らしています。』を20代の、結婚前の私に手渡してあげたい。この本を盾に、女性の人生にかけられる社会の執拗な圧力をスカッと跳ね返すことができるだろうから。普通に生きるのが最高だと、人と同じように暮らすのがいい人生なのだと信じて疑わない人たちに反旗を翻したくなったら、証拠資料としてこの本を突き出したい。キム・ハナとファン・ソヌのケースが特殊でラッキーなものだと思われないほどの、さまざまな形態の分子式家族が誕生することを願う。誰もが多彩に、豊かに、社会的・情緒的安全網の中で生きられる日が来れば、大気中が幸福の粒子でいっぱいになるだろう。 〜小説家 チョン・セラン 日本の単身世帯率はちょっと前の数字ですが2015年の調査で34.5%だったそうで、2017年の調査で東京都の単身世帯率は47%、新宿区などでは60%を超えるそうです(2020年の調査でソウルの単身世帯率は49%)。この本にも書かれているように、まるでパラレルワールドのように、日本と韓国の単身世帯はどんどん増えていて、これからもそうなっていくし、人々の生活実態は、法や制度、観念よりも早く変化していく。でも日本では人々の生活実態は韓国と同じようにどんどん先に進んでいるのに、法や制度がスローモーションで動いているかのように遅く、いまだに選択的夫婦別姓ですらハードルになっていて「えっ、まだそこ!?」とびっくりしてしまいます。でも時間は止まりません、実態はさらにどんどん先へ進んでいくことでしょう。 それにしてもこの本に登場するふたりの関係は羨ましい〜。でも推薦文でチョン・セランさんが書いているように、このふたりが特殊でラッキーなものとは思われないほどに多種多様な「分子家族」や「原子」の存在が当たり前になって、法や制度の助けもやっと追いついてきて……そんな社会を(近々)見られたらうれしいものですね。夢がふくらむ一冊です。 著者:キム・ハナ、ファン・ソヌ 日本語訳:清水知佐子 出版元:CCCメディアハウス 表記:日本語 H188mm×W132mm/336P/並製/2021 *Overseas shipping OK *Free shipping on orders over ¥ 10,800 in Japan only. Overseas shipping charges apply.

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