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この架空の職場では、上の階に行くほど賃金がかわる。昇進コースに乗れれば、エスカレーターでずっと上まで上がっていける。もともとは壁をよじのぼらないと上に行けなかった女性だが、最近ではエスカレーターを使ってよくなったという噂もちらほら。ところが不思議なことに、どの女性も、自分の目の前に来たとたんエスカレーターが点検中になったという体験談を持っている。
現在、女性は世界で人間に必要な労働の66%を行ないながらも、地球上で得られる収入の10%しかもらっておらず、全資産のたった1%だけを占めている……これはもはや、それぞれの生活に満足できるかどうかの次元ではけっして解決することができず、そう解決してはいけない不平等の問題であることがわかる(本文より)。
『私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない』の著者イ・ミンギョンさんが、蔓延る男女の賃金格差を解体していくために、具体的にどう考え、どう隣人や組織、社会に問いかけていくかを丁寧に書き綴った必読の一冊です!
◎内容をわかりやすくまとめた動画です
https://www.youtube.com/watch?v=YwnDPCHvnSY
◎出版社レビューより
男女賃金格差がOECD加盟国中「不動のワースト1位」の韓国の社会事情は、「不動のワースト2位」の日本でも共感必至。賃金差別は存在する!
解説:西口想「日本で、女性がもっと受け取れるはずだった賃金の金額を求めよ」
目次
はじめに
1. 昇進 止まっているエスカレーター
2. 考課 「ふりだしに戻る」と「3つ前へ」
3. 同一職級 傾いた床
4. 与えられた条件 ハイヒールと砂袋
5. 雇用安定性 消えていく女性たち
6. 就職
7. 進路選択
8. 達成度評価
9. 資源
終わり-あるいははじまり
解説 日本で、女性がもっと受け取れるはずだった賃金の金額を求めよ 西口想
そろそろ多くの読者が気づいていると思う。この問いは、韓国で賃金労働をする女性に本来支払われるべきだったのに払われず、どこかへ消えてしまったお金 、便宜上「失われた賃金」と呼ぶことにするが、そのお金の金額を求めてみようという試みである。また、やっぱり多くの読者がとっくにわかっていると思うが、この問いは「性別を理由にした賃金格差」は実在する、という問題意識のうえでのみ成り立つ。
ガラスの天井とは、女性の昇進を阻む障害物がガラスのように透明で、あたかも存在しないかのように見えないかたちでおかれているという意味からきたものであり、割れば壊れる障害物、という意味ではない。
著者:イ・ミンギョン
日本語訳:小山内園子、すんみ
装丁デザイン:沼本明希子(direction Q)
出版元:タバブックス
表記:日本語
H185mm×W120mm/216P/2021
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