【6699pressが制作した本 その6】
ゲイを自認する6人、彼らがカミングアウトしたストレートの友人が6人、お互いの友情とカミングアウトについて、それぞれの話を本に綴ったプロジェクト。
デザイナー、LGBT書店店主、自営業者、写真家、ジャーナリスト、作家、ミュージシャン、漫画家など、さまざまな活動をしている作家たちが、友人にカミングアウトをした後に「ゲイと友達」というテーマについて、どう向き合ったか、二人の話に耳を傾けながら、さまざまな方法で表現しています。
テーマのカテゴリが広くて曖昧なだけに、アプローチの仕方も様々。往復書簡を送ったり、エッセイを書いたり、会話をして写真を撮り絵を描いたりして、表現方法も多種多様。
野原くろさんがこの本のために描いた短編コミック『キミのセナカ』も収録されています。
◎書評
ゲイのカミングアウト・ドキュメンタリーを作った後でも、喉は乾き続けた。より多くのカミングアウトの話と、より多くのゲイの物語の登場を願っていた。さまざまな方法で再現されたセクシュアルマイノリティたちの話が、恵みの雨のように登場したが、渇きは相変わらずだった。
もちろん差別と憎悪が渦めく韓国でセクシュアルマイノリティとして話をすることは少なくない勇気が必要である。時には差別と嫌悪に直面しなければならないひどい結果につながることもある。それでも私たちは、絶え間なく、私たちの存在を表していかなければなりません。「ひどい結果」を克服する糸口は、最終的には自分の存在を表した先にしか見えてこないから。だからセクシュアルマイノリティとして、私たちの生活と経験はさらに声高に話されるべきである。「私たちゲイはここにいる。私たち人生はそれだけの価値があるから」。
強大な異性愛者の歴史は、なかなか席を用意してくれなかった。セクシュアルマイノリティの歴史はいつも削除されたり、誤訳されてきた。退廃と異常に記述される受難の歴史だった。誰かが代わりに歴史を記録してくれるわけではない。今、六色の新たな歴史が発掘され、記録された。だから『六』が出版されて本当に嬉しい。
イ・ヒョクサン(映画監督)
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商業的なグラフィックデザインの世界で活躍しながら、一方で独立出版社を立ち上げ、LGBTQコミュニティや社会の問題に対して声をあげ、書籍や作品を作り続ける韓国の若いグラフィックデザイナーたち。
世の中に届いていないマイノリティの声を可視化することを目的に、デザイン性が高い優れた本を制作する独立出版社兼グラフィックデザインスタジオ 6699pressを一人で運営するイ・ジェヨンさんもその一人。ここでは、2012年に立ち上げられた6699pressが、これまでに制作してきた本を紹介していきます。
▶︎韓国のインディペンデントパブリッシャー「6699press」を訪れて感じたこと|編集長JUNのコラム「FREE WORDS」#002
NEUT magazine より
素敵なインタビュー記事です!
https://neutmagazine.com/free-words-002
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独立出版社 6699press
同時代を生きるマイノリティ個人の物語に焦点をあて、その声を可視化する本をこれまでに11冊出版している。6699pressの「6699」は、引用符の“”を表しており、社会に必要な言葉、大切な言葉に引用符“”をつけて可視化するという意味が込められている。
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編集:6699press編集部
出版元:6699press
表記:韓国語
H200mm×W148mm/184P/2015
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