東京造形大学に留学し、その後はソウルで活躍している美術家のジョン・ナファン(전나환)さん。ここ数年、性的少数者の姿を可視化する作品を次々と制作し話題を呼んでいます。
この本は、2018年7月にソウルのギャラリーfactory483で開催された、ナファンさんと、ソウルにある青少年の性的少数者のための危機支援センター“DDing Dong”がコラボレーションした展覧会「Sun Sun Sun, Here It Comes」の図録。
前半は、ナファンさんとのワークショップで、10人の性的少数者の青少年たちが制作した、プライドパレードに持っていく自分だけの“クィアなトートバッグ”。
後半は、子供たちの横顔を描いたカラフルで力強いナファンさんの作品が掲載される構成になっています。
本当は子供たちと撮った記念写真があるけれど、それをそのままこの図録に掲載することはできない、それが今、彼らが置かれている現実です。この展示を準備する過程にも10代の性的少数者の死を経験したそうです。
太陽が燦々と照らす場所で、子供たちが自分を肯定して堂々と生きていけるように、そんな未来への希望が込められた、ぜひ、手にしてほしい一冊です。
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DDing Dongとは?
LGBTQ Youth Crisis Support Center DDing Dong
2014年にソウル市内に設立された、虐待やいじめなどで家や学校に居場所を失くした青少年の性的少数者を支援、サポートするセンター。
彼らの自立を手助けするためのシェルター施設であり、また定期的に、ソウルのゲイタウン・鐘路などへ屋台を出し、街にいる青少年からの相談なども受けるなど、多彩な活動を続けている。
展覧会「Sun Sun Sun, Here It Comes」もそんなDDing Dongの活動を支援するためのプログラムとして企画された。
制作:Jeon Nahwan × DDing Dong
デザイン:STUDIO flagflag
表記:韓国語
H240mm×W172mm/52P/2018
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