
"こんなに家はたくさんあるのに、 なんで僕の家はないんだろう?"
賃貸住宅生活でも幸せな二人の男の話。
現実的に若者たちが自分の経済力だけで集められる住宅資金はわずかです。若者たちは永遠に続く賃貸住宅生活を予感しつつ、現在居住している賃貸は分譲住宅を買う前までの仮の宿と考えています。
1990年代生まれで建築家のイ·ユンソクと借家人のキム·ジョンミンが共著で出版した『楽しい他人の家』では、 大家が所有している賃貸住宅であっても「私の家」だと宣言してみようと呼びかけています。
イ·ユンソク、キム·ジョンミンの二人はYouTubeチャンネル「ソウルは不思議な都市」で、彼らは20~30代が暮らす住居を個人的単位で眺め、賃貸住宅をどのように自分のものにして使うのか紹介してきました。 月家賃または伝貰(チョンセ/家主に一定の保証金を預けて借りる賃貸システム)で暮らしながら、賃貸であっても自分なりに工夫して、自分の家を作る人々に会いに行きインタビューしています。
この本は「私の家」とは家を買わなければ持てないわけではない、と明確に宣言しています。借りた家も「私の家」なのです。そうして、家が所有と投資の対象とされる昨今の現象に疑問を呈しています。
家は不動産ではなく、愛着を持って物語を積み重ねていく場所だと思えば、借りた家でも居心地が良く、楽しい我が家にすることができます。 固い殻が割れた瞬間、家が消えてしまうカタツムリより、家を持たないナメクジの人生のほうがもっと実りが多いのかもしれません。
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著者のキム·ジョンミンさんは、ソウル・クィアコレクティブで活動し、都市とクィア空間、クィアコミュニティをテーマにしたセミナーをはじめ、ソウルのゲイタウンである鍾路3街がジェントリフィケーション(gentrification)で変化し、多くの若者が押し寄せる街になったことで、街から押し出されてしまった性的少数者の問題に取り組みました。
「都市のクィア」と呼ばれる少数者の集団を日常の中の隣人として自然に受け入れられるように多様な作業を通じて、クィアの存在を可視化しようと試み続けています。
著者:イ·ユンソク、キム·ジョンミン
出版元:ダサンブックス
表記:韓国語
H188mm×W123mm/230P/2024
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