身の回りの“良い”と思った物事を描き残す“風景保存”という活動をしているという一般さん。一人佇んで、この世界の隙間に小さな光を見つけていこう…そんな表明を感じる素晴らしい作品集『僕のちっぽけな人生を誰にも渡さないんだ』から広がったコミックが『ゆうれい犬と街散歩』です。
「ひとりでも楽しく生きていくにはどうすればいいのか、考えていく話にしたい」そんな思いで『ゆうれい犬と街散歩』の連載をはじめたという一般さん。
『ゆうれい犬と街散歩』で“わたし”と一緒に散歩してくれているのは、一般さんが以前一緒に暮らしていた犬だそうです。普段散歩をしている時に、話し相手がほしいなと思って作ったイマジナリーフレンドの“ハナちゃん”。
三軒茶屋、中野、高円寺、鮫洲、北千住、奥多摩など東京のさまざまな街をつれづれなるままに対話しながら散歩する、わたしとハナちゃん。
奥多摩湖を眺めながら「たくさん傷ついていかないと他人と交わる道はないんだなって思った」と呟くわたしに、ハナちゃんが「わたしは“たにん”だが、あなたといっしょにいるのたのしいよ」「わたしとあなたがはなしてきたこと、そういうはなしができるひととあえるといいね」と話しかけます。
一日、一週間、1ヶ月、一年、十年、大半の時間を一人で過ごしてきた僕もひとり散歩が大好きです。ひとりでいても、閉じないで、手を伸ばしてみよう、一歩踏み出してみよう、声をかけてみよう。『ゆうれい犬と街散歩』を読んでそんなことを思いました。
散歩しながら対話するのっていいな、たまには誰かと一緒に話しながら散歩したいな、そんな気持ちになるとてもとても素敵な一冊です。
*ステッカー付き
◎著者プロフィール
中村一般 なかむらいっぱん
1995年東京出まれ。主に書籍の装画、漫画を描く。2021年5月に『僕のちっぽけな人生を誰にも渡さないんだ』を自費出版。趣味は散歩と読書。
著者:中村一般
出版元:トゥーヴァージンズ
表記:日本語
H210mm×W148mm/176P/2022
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