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マレー素描集 / アルフィアン・サアット

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わたしたちの居場所はどこにあるのか? 48の掌編のつらなりによって現在のシンガポール社会を巧みに描き出したマレー系作家による短編集。 表彰式で大統領と握手ができなかった学生、ふと交番に現れて無言で去っていく女性、認知症の進行を認めず、マレーの民話に出てくる幽霊「トヨール」のしわざだと言い募る父親と同居する息子──。 シンガポールがイギリス領の一部だった19世紀末に総督フランク・スウェッテナムが執筆した『Malay Sketches』。それから100年以上を経た現在、アルフィアン・サアットによって新たに同名の作品が書かれた。イギリス人統治者が支配下にあるマレー人の文化や気質を支配言語である英語を用いて読者に紹介するという『Malay Sketches』の構図を大胆に再利用するかたちで本書は誕生する。 〜出版社より ****** 《華人の英語話者が中軸を担う社会でマイノリティとして生きる人々のさまざまな感情がスケッチされている(……)人と人を隔てるが結びつけもする言葉の奇跡を実感する》 エル・ジャポン22年1月号 評者=石井千湖さん 《サアットの作風を一言でいえば、中華系がおよそ四分の三を占めるシンガポール社会で周縁に追いやられてきたマレー系住民とLGBTQコミュニティの声を拾い上げることにある。(……)人々の日常と何気ない心の動きを捉えつつ、マレー社会の現在を描き出す》 図書新聞(22年1/1号) 評者=麻生享志さん 《マレー人たちはしばしば不意打ちのように、他者との〝溝〟に遭遇する。〔……〕フラットな視点がよい。多言語社会の光と影を、あたたかい目線と鮮やかな描写で描いたシンガポール小説》 本の雑誌(22年1月号) 評者=藤ふくろうさん ****** ◎プロフィール 著者:アルフィアン・サアット(Alfian Sa'at) 1977年シンガポール生まれ。ラッフルズ・ジュニアカレッジ在籍時から演劇の創作で注目される。1998年に詩人としてデビューを飾り、1999年には短編集『サヤン、シンガポール』を発表。マレー語と英語での創作活動を続け、シンガポールでは多数の受賞歴を誇る。ほかに詩集『記憶喪失の歴史』『透明な原稿』、戯曲『アジアン・ボーイズ』三部作、『ナディラ』(いずれも未訳)。 翻訳:藤井光(ふじい・ひかる) 1980年大阪生まれ。北海道大学大学院文学研究科博士課程修了。東京大学文学部教授。主要訳書にS・プラセンシア『紙の民』、H・ブラーシム『死体展覧会』、M・ペンコフ『西欧の東』(以上、白水社)、D・アラルコン『ロスト・シティ・レディオ』、T・オブレヒト『タイガーズ・ワイフ』、A・ドーア『すべての見えない光』(第3回日本翻訳大賞受賞)、R・マカーイ『戦時の音楽』(以上、新潮社)、N・ドルナソ『サブリナ』(早川書房)など。 【訳者解説より】 しばしば困難な状況に置かれた人々を取り上げつつ、その喜怒哀楽を丹念に追うサアットの筆致の根底には「人が生きること」に対する信頼や愛情といった感覚があるのだといっていい。それが、『マレー素描集』に独特の開かれた雰囲気を生み出している。(藤井光) 著者:アルフィアン・サアット 翻訳:藤井光 装丁:佐々木暁 出版元:書肆侃侃房 表記:日本語 H178mm×W130mm/248P/2021 *Overseas shipping OK *Free shipping on orders over ¥ 10,800 in Japan only. Overseas shipping charges apply.

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